昼食後の眠気、実は『満腹』のせいじゃない?イライラとだるさを引き起こす『血糖値ジェットコースター』の正体
- 翡翠 はりきゅう
- 4 日前
- 読了時間: 3分
ランチを食べた後の会議で、どうしても頭がぼーっとしてしまう……。
夕方、夕食の準備をしたいのに、なぜか力が入らなくて動けない……。
そんなとき、私たちはつい「食べすぎたからかな?」「疲れているのかな?」と片付けてしまいがちです。しかし、実はその眠気やだるさ、単なる疲れではありません。
「食後の眠気は、単なる『満腹』のせいではありません。午後一番の会議で頭がぼーっとしたり、夕方の家事で力が入らなくなったりするのは、あなたの血糖値がジェットコースターのように急降下しているサインかもしれません。」
今回は、自覚しにくい「隠れ低血糖」のサインと、その対策について詳しく解説します。

1. なぜ「食べているのに」低血糖になるの?
低血糖とは、血液中の糖分が不足した状態です。「しっかり食べたはずなのに、なぜ?」と不思議に思うかもしれません。
その正体は、血糖値の「乱高下(ジェットコースター)」にあります。
急上昇: パンや麺類、甘いものなど糖質の多い食事を摂ると、血糖値が急激に上がります。
過剰反応: 上がりすぎた血糖値を下げようと、体内で「インスリン」というホルモンが大量に分泌されます。
急降下: インスリンが効きすぎて、今度は血糖値が必要以上に下がりすぎてしまう……これが「低血糖」を招くのです。
2. 「イライラ」と「眠気」は体からの警告
血糖値が急降下すると、体と心に異変が起きます。
① 脳のエネルギー不足による「猛烈な眠気」
脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなくなると、脳は「お休みモード」に入ります。これが、抗えないほどの眠気や生あくび、集中力の欠如を招きます。
② ホルモン分泌による「突然のイライラ」
血糖値が下がりすぎると、体は危機を感じて血糖値を上げようと「アドレナリン」を放出します。アドレナリンは攻撃的なホルモンでもあるため、**「なぜか理由もなくイライラする」「家族にきつく当たってしまう」**といった状態になりやすいのです。
3. あなたの「隠れ低血糖」チェックリスト
当てはまるものはありませんか?
✅ 食後1〜2時間後に、耐えがたい眠気に襲われる
✅ 空腹になると手が震える、または冷や汗をかく
✅ 空腹時にイライラして、食べると落ち着く
✅ 寝汗をかいたり、夜中に悪夢で目が覚めたりする
✅ 常に甘いものが手放せない
4. ジェットコースターを止める3つの習慣
この乱高下を防ぐには、血糖値を「ゆっくり上げて、ゆっくり下げる」ことが大切です。
対策 | やり方のコツ |
食べ順を変える | 糖質の前に、まず野菜(食物繊維)や肉・魚(タンパク質)から食べる。 |
「単品食べ」を避ける | おにぎりだけ、パンだけ、パスタだけではなく、卵やサラダをプラスする。 |
おやつは「補食」に | 甘いケーキではなく、ナッツやチーズなど、血糖値を上げにくいものを選ぶ。 |
食後の運動 | 5分程度のウォーキング、スクワット10回、その場での足踏み、家事(掃除など)でも血糖値の急上昇を抑えられる。 |
5. 症状が出たときの応急処置
もしも手が震える、冷や汗が出る、強い空腹感で動けないといった「強い症状」が出た場合は、無理をせず糖分を摂ります。
ブドウ糖 5〜10g または 飴玉1〜2個。
ただし、その後また血糖値が下がることがあるため、落ち着いたらナッツやチーズなどのタンパク質を摂って、安定させるのがコツです。
まとめ:あなたの不調は「性格」でも「年齢」でもない
「最近イライラしやすくなった」「やる気が出ないのは更年期のせい?」
そう自分を責めてしまう女性は多いですが、実は食生活による血糖値の乱れが原因であることも多いのです。
まずは今日の食事から、食べる順番を少し意識してみる。それだけで、午後の仕事のパフォーマンスも、家族との穏やかな時間も守れるようになりますよ。



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